理事長所信

一般社団法人 佐野青年会議所

第52代理事長 金子 朋弘

金子朋弘

 

私たちは進化の先駆けとなる

進化とは変わること

変わることは大切なものを守ること

変わることは楽しくて辛いこと

変化は必ずしも進化を伴わないかもしれない

しかし進化は変化なしにはありえない

だから変わる 輝くために

それが未来という名の私たちの意志

想像しよう 自分の未来

想像しよう 地域の未来

未来は私たちの意志

一歩を踏み出そう 今いるこの場所から

 

 

【成長という名の進化】

私は日々の多忙な時間の中でも家族と過ごす時間を大切にしています。そんな中、子どもたちにせがまれてディズニーランドに行くことがあります。子どもたちは大いに楽しんでいますが、私自身も同じような楽しさを感じることができます。訪れるたびに新しいアトラクション、毎回異なるイベントと変わり続けるコンテンツが私に新鮮な驚きと喜びを提供してくれるのです。そして、また訪れたくなる期待感を子どもたちだけでなく私にも与えてくれます。

 

“現状維持では後退するばかりである”

                         ― ウォルト・ディズニー ―

 

創業者であるウォルト・ディズニーの意志は確実に次代に受け継がれています。ディズニーランドは環境も来場者も変わり続ける中で、その変化の速さ以上のスピードで自らが絶えず変化を繰り返し、その国や時代にあったサービスを提供する、つまり「進化」していくことが自らの存在価値を高め続けるのだということを証明しているのです。

進化とは周囲を巻き込む変化です。進化しているものは周囲にエネルギーを放ち、そのエネルギーは周囲にポジティブな感情をもたらします。私は現在、絢(けん)太(た)と絢(あや)愛(め)という二人の子育てに奮闘中です。その子どもたちの成長には日々喜びや期待を感じることができます。ブロックの遊び方を見ても、始めは単純にブロックを重ねるだけでしたが、今では私の想像を超えて、車やロボットなど様々なものを創って私を驚かせてくれます。今までできなかったことができるようになる、絢(けん)太(た)と絢(あや)愛(め)の成長という進化に触れることで、私は毎日の仕事や子育てに頑張れているのです。

進化が放つエネルギーは、私たちに生きていく活力を与えてくれます。その活力は私たちが次の行動を起こす原動力となります。つまり、進化を生み出すということは、未来を創るということなのです。

 

【想像力が変える未来】

情報技術の発達は、今や大人から子どもまでが同様の情報にアクセスすることを実現し、私たち一人一人を情報の発信者になることを可能にしました。その結果として、私たちは様々な発信者からの膨大な情報を簡単に手に入れられる時代に生きています。その情報に対して、時に私たちの処理能力は追いつかず、情報に流され、その真実や本質を問うことを忘れたりすることがあります。情報を処理し、より良い未来に向けた判断を下すために私たちに求められているのは「想像する力」なのです。

2016年、イギリスは国民投票によりEU離脱という選択をしました。しかし、離脱派勢力が掲げた公約も脱退決定後に撤回される中、再投票を希望する声が跡を絶たない状況にあります。離脱派の流す有権者を惹きつける多くの情報を鵜呑みにしたり、残留するだろうという思い込みから投票を行わなかったことで、判断を委ねられた国民の想像と異なる未来が生じようとしているのです。

情報をもとに想像するということは、ただ思い浮かべることではありません。想像する上で、年齢や育った環境は違っても、私たち各々の知識や経験が背景となります。そこから、まず私たちは物事に対して「なぜ」と問うことから始めます。知識や経験を背景としながらも、それに捉われずに疑問を持つのです。そして、それに少しでも良くしたいという意志を持ち、与えられた情報の真実や本質を見極める力が「想像力」です。

こうした私たちの想像力を基盤として、新たな価値を創造することで未来は「進化」していくのです。

 

【進化せよ、躍動する地域へ】

 「進化」が放つエネルギーとは、今の状態から進歩することで何かができるようになったり、何かが生まれていったりする様な動きを伴う「始まりの感覚」、すなわち躍動感です。その感覚は周囲に喜びや期待を感じさせてくれます。そして、その喜びや期待が更なる共感をもたらすことで、新たな価値を地域に広げようとする力が大きく膨らんでいくのです。

私たちが想像力を持ち行動することによってこそ、新たな価値が創造され躍動感を伴った進化が地域にもたらされるのです。

今こそ、私たちの手で進化させていきましょう。躍動する地域へ。

 

Evolution.1 進化するコミュニティ

人口減少、少子化、高齢化が進展している現在、地域は固有の伝統、文化、資源を活かし変化していく必要があります。すなわち、地域独自の価値を創り出し、「進化」することが求められているのです。それは地域に存在する様々な価値観を融合し、既存の資源からヒト、モノ、カネ、情報を呼び込むことができるような共感資本を生み出すことを意味しています。

イタリアには世界を相手に地域独自の商品を生産販売し、国に頼らず自立している小さな町や村が多数あります。例えば、世界的なワインの産地であるトスカーナのキャンティ村は、そこに住み暮らす人がアイデアを出し合い、伝統産業と先端産業の融合をはかる動きも見られます。様々な世代がお互いの立場を超えて役割を担うことで、ワインの生産を支えているといえます。すなわち、村自体が一つの企業のようなコミュニティを構成し、そのコミュニティの力によって村の資源が共感資本を生み出し続けているのです。

世代や立場を超えて機能し合うコミュニティは地域独自の価値を創り出し、地域を未来に向けて進化させます。そこで必要になるのは、コミュニティを牽引する「リーダーの育成」と市民が交わる「仕組みの構築」です。リーダーの育成とは地域を巻き込み、牽引する「想像する力、方向を示す力、実行する力」の3つを備えた人材を育てることです。そして、仕組みの構築とは世代を超えた市民の考えや価値観が交わることで、共感資本を生み出すコミュニティ機能の確立を指します。

リーダーシップを備えた人材が交わり、地域独自の価値を創り出す仕組みが機能することで、地域の進化は確かなものになります。

 

Evolution.2 進化を起こす子どもたち

ますます膨大な情報に容易に触れることができるようになり、様々な価値観と触れ合う機会が増える未来は多様性に満ちています。その中で未来を担う子どもたちには、得られる情報を処理して活用し、協力し合いながら自分たちの手で時代の変化を創り出し、未来を「進化」させて行くことが求められていくでしょう。

未来を進化させる力の源泉となるのは子どもたちの想像力です。その想像力を育むためには、まず子どもたちが「あったら良いな」と思う未来を考えることから始めます。色々なことを調べたり、見方を変えてみたりしながら考えるのです。そして、その考えを基に様々な人との交わりの中で、実際に何かをやってみることは子どもたちに自信を与えてくれます。これらの体験が子どもたちの想像力の礎となるのです。未来を担う子どもたちの想像力を養い、地域教育をより一層活性させていくことで、地域の進化を起こす子どもたちを育成していきます。子どもたちに未来を切り拓く力を育むのは私たちであるという自覚を胸に。

 

Evolution.3 進化の先頭に立つ組織

目指すべき地域を創り出し、次の世代に繋ぐために、強い「意志」を持って行動していくのが、我々JAYCEEです。その意志をより強くするための様々な機会が、青年会議所の持つネットワークには存在しています。その機会をメンバーが積極的に活用することで、地域を「進化」させる資質を高めることができるのです。

また、青年会議所はメンバーがそれぞれの背景や考え方を持って議論し、より良い未来を創り出す「場」で在り続けてきました。この場は、個人の能力を高め、意志を強く持つことができる無限の可能性を秘めています。その可能性をより広げるために、まずはメンバーが安心して論じあえるような空気感を高めていくことが必要です。議論の中でお互いの信頼感を深め、その信頼感は更に議論を広げていきます。

個人の「意志」を強くしていくことと「場」の空気の高めていくことで、我々は地域の進化の先頭に立つ組織になるのです。

また、進化を牽引し続けていく力となるのは、新たな同志の存在です。そして志を同じくするためには、我々の運動に対しての理解とメンバーとの人としての繋がりが必要となります。こうして集結した新たな同志と共に、行動することで組織はより高みへと進化していくのです。

さあ、進化の先頭に立つ気概を持って、我々の運動を地域に広げていきましょう。

 

【プレゼント~進化した未来を想像する~】

私たちはより進化した地域を子どもたちにプレゼントします。

子どもたちはやがて大人となり、次の世代に一層豊かな未来を贈ってくれるでしょう。

こうして繋がれていく地域は期待や希望に満ち溢れています。

未来は想像力がある限り、永遠に進化を続けていけるのです。

 

机上の空論で終わらせない。論ずることで終わらせない。

時代の当事者として、地域の今を「進化」させていきましょう。

 

未来は私たち自身が創り出していくものなのだから。

 

 

“未来を予測(想像)する最善の方法は、自らそれを創り出す(創造)ことである”

― アラン・ケイ ―